
今回観察されたツボカビはケイソウAulacoseira granulataに寄生する種類。寄生率は50%を超えるほどで、たくさん観察できた。鞭毛虫がついている事もあるので、念のためCalcofluor white液で染色してみると、ツボカビ(菌類)の証であるキチン質がきれいに染まって見えた。

印旛沼は日本一汚い湖として何年 も君臨してきた湖。ツボカビはそういった富栄養(過栄養)の湖に出る傾向にあるのだろうか?確かに、寄主となる植物プラン クトン種が多く出現する方がツボカビには都合がよいに違いない。とすると単一種がブルームを起こすような富栄養湖は格好の舞台となる。しかし、私の知る限 り、一概にツボカビが富栄養湖を好んでいるとも言えない。日本では諏訪湖の他、中栄養の琵琶湖北湖で出現が確認されている。ツボカビ研究の発祥地、イギリ スのWindermeerやオランダのMaarsseveenも中栄養に近い。
今後はツボカビが出現する湖をさらに探索するとともに、印旛沼で大型珪藻ーツボカビーミジンコというMycoloopを証明したい。卒研生の天野君が一生懸命分子マーカーを用いたツボカビ検出法の確立を試みてくれている。こちらの成果にも期待したい。
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