5/23から私も盤洲(小櫃川河口干潟)の実習についてゆきました。そして、たくさんのヨコエビに出会いました。濃密な3日間でした。
得られた標本はロット数だけで60弱、個体数にすると400超。種類を見ると、少なくとも11属(これまで湾内で私が得た属の9割以上!)。中にはこれまで見たことのない謎のものもいて・・・
これについては、正体が分かり次第、続報を出します。乞うご期待!
さて、小櫃の興奮さめやらぬ28日、お馴染みの三番瀬に行きました。
今回は表題にある新兵器の登場です。
あの四角くて黄色いキャラクターとは関係ありません(あれは海綿がモデルでしょう)。
杭の根元に結び付ける形で、流されないよう工夫しました。
右はその様子です。
ある杭に結んでいた時のこと。水が濁っていて手元が見えません。ふと、「もちっ」とした感触が・・・
「?!」
何やら弾力のある柔らかい物体が、杭に付着しているようです。
恐る恐る握りしめて水から揚げると・・・
嫌な予感がしましたが、魔が差して、持って帰ってしまいました。
泥の塊を・・・
開けてみると・・・
何か出てきたぞ・・・
ドロクダムシ(Corophiidae)の一種です。(*1)
”泥”の”管”を作ってその中に棲んでいます。だから泥が筋っぽかったんですね。
第2触角がでかくて太いです。種類によってはもっともっと目立ちます。
こいつらはヨコエビのくせにあまり横向きになりません。
そして嫌な予感的中。
まだ泥の塊を半分くらいしか崩していないのに、個体数がヤバイです。
30mlのポリ瓶。
底一面に見える白い者共は全てドロクダです。
まだ小櫃のサンプル整理終わってないのに!
毎週スポンジ見に行かなきゃならないのに!
謎のヨコエビの正体を突き止めたいのに!(*2)
果たしてドロクダ地獄は終わるのか、続報をお楽しみに・・・
(小川洋)
追記
(*1)アリアケドロクダムシ Monocorophium acherusicum
全ての個体を見直したわけではありませんが、成熟していると思われる大型の個体を見ると、例外なく本種でした。尾節の構造や触角に生えている棘によって他属や他種と区別できます。
(*2)フサトゲモクズ Hyale affinis → Protohyale affinis
今のところ盤洲でのみ確認しています。非常にカラーバリエーションが豊富です。
(追記の追記)
2002年に属位変更があったらしく、旧Hyale属の状況が大きく変わりました!
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