研究結果はいたってシンプルで、印旛沼の菌類の群集組成をDNAを用いた解析法 (DGGE法)により検討したところ、ツボカビが多く含まれる、という内容 でした。現在、国際雑誌に投稿準備中ですが、この結果が何を意味するのか?そもそも水中にキノコのような菌類はあまりいないと考えられてきましたが、今回 の結果では菌類は最低でも6種は検出されました。さらに、その多くはツボカビでした。ますますツボカビは湖沼の中で無視できない存在と言えます。検出され たツボカビには珪藻に寄生する種類や有機物を分解する種類が含まれると考えられます。これらツボカビの生態をもっと解明するとともに、Mycoloop、 つなわちツボカビがミジンコの餌として重要なのかについても評価していきたいです。
学会から戻ると、にわかに研究室ではお祭り騒ぎ。当 初、学部4年生で学会発表できるのか?という不安もあったので、できたての研究室としても幸先よいス タートとなりました。思えば、学会申込の時点で天野君は指導教員の私や共同研究者の石井ノブさんの名前を入れ忘れるという、初々しい失態をしでかしてくれ ました。しかし、その後はポスターであるにも関わらず、きちんと発表練習するという意気込み。「あどけない表情から凛々しい表情に4年間で変わった」、と 理学部総代の某Y原さんが答辞で述べたように、20代の可塑性と底力を思い知りました。就職してもどんどん伸びていくのでしょう。
来年度の卒研生は7名。チーム印旛沼として、多いに日本一汚い湖に浸かります。