Tuesday, July 21, 2015

2015年7月10日印旛沼調査

こんにちは。
真のブログ係の1人、ツボワムシの形態に着目しておりますO竹こと大竹です…更新義務を滞ってしまい非常に申し訳ございません。
以後更新頻度を上げ、みなさんに湖沼の生き物の面白さの一端をお伝えできるよう邁進出来ればと思いますので何卒よろしくお願い致します。


先日、7月10日に印旛沼の全域調査を行ってまいりました。
今回、湖沼生態学研究室ポスドクの栗山先生もご同行して下さいました。

セキ君が、印旛沼の枝角類(ミジンコ類)の分布や密度組成を全域的に解明することになったため、また、オニビシ帯出現につき、大竹がオニビシ帯サンプルを所望したため、前回の調査(地点数:12)から、さらに9地点追加しての、21地点でのサンプリングを行って参りました。

大繁茂オニビシ

行ったことは、前回岡崎君が書いてくれた作業と同様で、今回はそのプランクトンの定量・定性サンプル採集、水質調査などのほか、地点の流速計測なども取り入れてみました。


前回、調査の作業やそのあとの濾過を紹介していただいたので、今回はこの時期に印旛沼でみられる代表的な動物プランクトンを紹介してみたいと思います。

どのような種が存在したのか確認するため、この日に採集した、動物プランクトンの定性サンプル(ネットは200µmのものを使用)を、実体顕微鏡で観察してみると、以下のような世界が
        下は暗視野で撮影したものです。宇宙のようで神秘的且つ美しいですよね。
    ざっと見たところ、カイアシ類が多そうで、オナガミジンコやツボワムシも多くみられそうです。
    ゾウミジンコも数個体見られていました。
 
では、それらのプランクトンを個別にご紹介致します。
 
まずは、たくさん見られたカイアシ類。
上の写真の細長い子達はこの子達です。
 
頭胸部を超えない第一触覚から、肉食性のケンミジンコ目(Cyclopoida)とわかります。
このように曲がった触覚を持った個体がオス個体です。
交尾の際に、メスの身体を掴むために役立つと考えられています。
こちらは、長い第一触覚が特徴の、ヒゲナガケンミジンコ目(Calanoida)に属する
ヤマトヒゲナガケンミジンコ(Acanthodiaptomus pacificus
ケンミジンコ目と異なり、草食性です。
触覚の長さがよくわかる一枚
 
光学顕微鏡で観察するとこのように見えます。(×100)
胸部・腹部の節の数から、生育段階を判断することが出来ます。
この子はおそらく、copepodid幼生の5期目です。
 
 
 
オナガミジンコ(Daphnia brachyurum
 
印旛沼で、夏季に多くみられます。
暗視野で、抱卵個体。背中に見える楕円のものが卵です。
 
 

ゾウミジンコ(Bosmina longirostris
 小型の枝角類です。
 

大量の卵を持った個体も。
 
 
 ゾウミジンコは、捕食者であるケンミジンコに対する防御として、吻を伸ばすという形態変化が知られています。(坂本ら,2007)
 今回観察されたゾウミジンコも、様々な吻の形の個体がいました。
  
cornuta型と呼ばれるかぎ状の吻。
この形状はケンミジンコに対して、防御として働かないようです。
longirostris型と呼ばれる直線型の吻
この形状の中でも、様々な長さが見られます。
長い吻は、カイアシ類が殻の間に入ることを阻害しているのでは、という考えがあります。

 
光学顕微鏡で観察したゾウミジンコ(×200)


 
 
ツボワムシ(Brachionus calyciflorus
 満を持して登場の我らがアイドル。私の研究対象生物です。
 このツボワムシも、ゾウミジンコ同様、捕食者存在下で防御に有効な形態を取る誘導防御が知られています。
 フクロワムシ属(Asplanchna)に対し、側突起を伸ばします。(Gilbert,1966)
 

↑ツボワムシの部位
 
フクロワムシ(光学顕微鏡:×100)
 
様々な側突起長のツボワムシ(共に光学顕微鏡:×200)
 
 
 今回実体顕微鏡で観察されたツボワムシ達
 ツボワムシはじめ、ワムシ類は実体顕微鏡で観察するには少々小さな生物と言えます。
ツボワムシやフクロワムシは、ワムシ類の中でも大きなほうなので、実体顕微鏡でも下の写真くらいには観察が可能です。
右側の個体は抱卵しています。
今回、抱卵している個体が多くみられました。
 
  卵4つ持ちです!

暗視野だとこんな具合。側突起が見辛いのはすみません…
 
 
そして、たくさんは観察されませんでしたが、湖沼のアイドルの一角、
Daphnia属、もといミジンコ属さんが見られました。
肉眼でも見ることが出来ます。
丸い頭に、円らな複眼に、大変愛らしいです。
暗視野。殻の透明感が引き立ち美しいです。
 
 
 
大まかな紹介で、雑記のようになってしまいましたが、如何でしたでしょうか?
 
動物プランクトンを自分の眼で観察してみたいと思った方、湖沼の環境や生態に興味を持っている方がいらっしゃいましたら、是非、近日開催の東邦大学理学部オープンキャンパスにお越しいただければと思います。
生命圏環境科学科の湖沼生態学研究室では、研究紹介の他、顕微鏡を用いた動物プランクトンやツボカビの展示なども予定しております。
 
 東邦大学 理学部 オープンキャンパス
  日時: 8月1日(土)、2日(日)
        両日ともに、10:00 ~14:00
  
  所在地、そのほか詳細は、以下の特設サイトを参照願います
   東邦大学オープンキャンパスサイト/理学部 http://juken.toho-u.ac.jp/opencampus/sci/
   
 
それでは、失礼します。