今年は「ミジンコはツボカビがお好き」話を色々な形で宣伝した。1つのネタをここまで持ち回してよいのだろうか、という位、本当にしつこく宣伝した。
1)論文(4月受理、6月発表)
「ミジンコはツボカビを食べると成長が良くなる」という実験結果と、「ツボカビにはミジンコの成長に必須なコレステロールが豊富に含まれる」という分析結果をメインに論文を書いた。2年間の奮闘後、Royal Societyに受理された。長い道のりだったが、思った以上に読んでくれた方が多く、とても満足している。この論文の受理をきっかけに、プレスリリースを発表した。すると...
2)プレスリリース(4月発表)
大学広報の一環として、卒業生によるプレスリリースが試行されている。卒業生は生物学の知識もあり、大学のスタッフとも顔見知りであることから、この試みは順調なスタートを切っている。ミジンコ&ツボカビネタもとても上手くまとめてもらった。自分の研究成果のどこが一般に面白いのか、どの点が社会に貢献できるのか、を考える良い機会であった。ちょうど世間を騒がせていたカエルツボカビ日本初確認のニュースと絡めたため、新聞社からの問い合わせがすぐにあった。
3)読売新聞(4月)
読売新聞の記者の方が取材にきた。カエルツボカビ症に直結する研究ではないので、コメントには極力気をつけた。しかし新聞、世間はやっぱりカエルツボカビに興味があるのだろうか。記事はなんとなくカエルツボカビの抑制にミジンコが効く、といったように見える・・・
4)NHKサイエンスゼロ(10月放送予定)
プレスリリースの影響も消えたと思った頃に、テレビの取材がやってきた。カエルツボカビの特集番組を組んでいる中で、ミジンコがツボカビを食べる、話を見 つけたそうだ。顕微鏡映像や研究室の様子がどのように放映されるのか、ちょっと楽しみでもあるが、私の研究が拡大解釈されませんように、と、ちょっと不安 でもある・・・
5)学会発表(8、9月)
大きな植物プランクトンはミジンコには食べられず湖の底に沈む「ゴミ」として扱われてきた。しかし、大型植物プランクトンがツボカビ症に感 染すると、その栄養素はツボカビに吸収されて、遊走子の形でミジンコの口に至る。この物質の流れを自分の名前Maikoと菌類学(Mycology)をかけて Mycoloopと命名した。おやじギャグ、との反響も多いが、意外と受ける。このネタは既に2004年から発表しつづけているので、そろそろ教科書に 載ってほしいなぁ...
4)学科紹介
学科の環境科学トピックスのコーナーや、入試合格者に向けた瓦版、オープンキャンパスなどで、ミジンコがツボカビを食べる事を紹介している。カエルツボカビ症の話を知らなかった高校生達にも、ミジンコはかわいいので、結構興味をもってもらえたかな?
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